約 1,412,305 件
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/176.html
303 :名無しせずにはいられないな:2010/01/08(金) 01 06 06 ID SwuXYlAY 部長「なんか死体損壊祭りになりそうな雰囲気ね」 かじゅ「竹井。自分が関係ないからって気楽に言うな」 律キャスターコクトー「首チョンパーズの結束は固い!」 池田「あたし、首ちょん切られちゃうの?!」 会長「なぁに、ほんの一瞬悪寒がするだけじゃよ」 池田「ふみゃああああああああああああああ!死んだからって首切られるのはイヤだし!」 とーか「かまってすらもらえない人間もいるんですのよ?首切られる心配があるだなんてぜーたくですわ!」 ビリビリ「午後三時まで粘れば大丈夫。午後三時まで粘れば大丈夫(ブツブツ)」 玄霧「なにやら殺伐としてきましたねぇ」 男A「本編再開が近いですからね、これくらいの緊迫感は必要でしょう」 304 :名無しせずにはいられないな:2010/01/08(金) 01 33 22 ID 2QoAibAM 撫子「幹也お兄ちゃん、幹也お兄ちゃん」 コクトー「なんだい?」 撫子「幹也お兄ちゃんって首チョンパされてないよね」 コクトー「えっ…」 撫子「今見直してみたんだけど式さんは幹也お兄ちゃんの首は切ってないよ。式さんとデュオさんが持ってる首輪は兵藤おじいちゃんとキャスターさんと律お姉ちゃんの分だよね?」 コクトー「そっ、それは…」 撫子「全く、首を切られてないのに首チョンパーズを名乗るなんて片腹痛いよ、幹也お兄ちゃん」 コクトー「うああああ…」 池田「怖いし…」 ムギ「撫子ちゃん…」 305 :名無しせずにはいられないな:2010/01/08(金) 03 24 00 ID ucbjaWWU ビリビリ「…………」 池田「観念するし!御坂美琴!」 玄霧「すでにこれだけの意見が集まってるんです」 撫子「もはや逃れることは出来ませんよ?」 ビリビリ「……まだ何も決まってないじゃない…」 船井「……まぁ、そうやな……」 紬「………そう、確かに私たちはあなたを同じ土俵に立たせるだけで精一杯…」 利根川「しかし、大きな一歩であることに変わりはあるまい……?」 ビリビリ「クッ……」 あらやん「そう…これで誰も逃れることが出来ない…」 とーか「ってまたあなたはさりげなく!?」 池田「そう……だから」 「「「「たから首のことは諦めるんだ!御坂美琴ぉおおおお!!」」」」 ビリビリ「……………(泣)」 306 :名無しせずにはいられないな:2010/01/08(金) 19 12 40 ID gE/VBd/k 真宵「まあでも、御坂さんはそんなに心配しなくても大丈夫ではないでしょうか?」 プリシラ「え、どうしてー?」 真宵「御坂さんの死体がある場所を知っている方々は、首輪が換金出来るという事を知ったところで、 わざわざ戻って御坂さんの首を切り落とすような人とは思えないのですよ」 美琴「ま、まあ、そうかもね」 律「そう言う真宵ちゃんも、首切られる心配はあんまり無いよなー」 真宵「私は海の底ですからね。カジさんやこよもさんでは引き揚げることも出来ないでしょう」 律「あーあ、まあいいや。人の事どうこう言ったって、私の首が繋がるわけじゃないし。はぁ…」 キャスター「あら、律ちゃん落ち込んでるの? 慰めてあげるわ」 律「え、ちょっと、あっ、あっ、アーッ!」 美琴「まーた始まっちゃった……」 紬「はぁぁ…………(ジー」 真宵「あ、琴吹さん。そういえば、琴吹さんはこの後首を切り落とされるか可能性がかなり高いわけですが……」 プリシラ「その割には、なんだか楽しそう」 紬「……はい(ジー」 プリシラ「え、首切られちゃってもいいの?」 紬「……イエス(ジー」 真宵「マジですか!?」 紬「……ドンと来いです(ジー」 一同「…………」 キャスター「恥ずかしいなら、他の人がいない所に行きましょうか」 律「ちょ、誰か助け……」
https://w.atwiki.jp/bmrog/pages/1626.html
【GM】 簡単に自己紹介をどうぞ 【つかさ】 「甘使つかさ!今日も今日とてみんなのオナペットなのだ!」 「みんながえっちしてくれるから、ここにきてからオナニーすることも減っちゃったのだ!」 「セックスに憧れていたあの頃が懐かしいのだ…」 こんなかんじ! 【GM】 はい。了解です。 では、君は自室から別の部屋に連れてこられる。 初めての部屋だ。大きなベッドが中央に、そして屏風みたいな背景。カメラに鏡に照明……まるでスタジオ。それもAVスタジオのようだ。 【不良D】 「さて、今日は俺と遊んで貰うぜ」 そう言うと扉を閉め、君の拘束を解く。そして、セーラー服を手渡しする。 【不良D】 「他の奴も愛称を貰ってるらしいが……そうだな、俺は【お兄ちゃん】と読んで貰おうか」 【つかさ】 「この部屋の感じ!きっとえっちな姿撮られちゃうのだな!」 初めてくる部屋に興味津々、想像を膨らませてわくわく 【つかさ】 「お兄ちゃん?つまり兄妹…王道ってやつなのだ! そしてこれはセーラー服なのだ!思えば不登校してたせいで学校の制服とか全然着たことなかったのだ。さっそく着ればいいのだ?」 渡されたからには着ろということなのだろうと裸の上に久しぶりの衣服を身につける 【お兄ちゃん】 「ほうほう、なるほど。それじゃあ、不登校で学校に行かなかったつかさは、お兄ちゃんとわるーいことをしてお小遣いをせびるわけだな」 お兄ちゃん達もつかさが服を着るのを久々に見る。着衣セックスもありだな、と思いつつ、ベッドに座りながら笑みを浮かべて。 【つかさ】 「お兄ちゃん♪ なんでもしてあげるからお小遣いちょ~だいなのだv」 着替え終わればさっそくスカートの端をぴらっとめくりあげながら色気でお兄ちゃんを惑わしにいく小悪魔的妹を演じる 【お兄ちゃん】 「ほう、なんでも。なんでもねぇ……ふふ、なんでもでいいのかな?」 小悪魔的に誘う妹に対し、さらに笑うのは悪魔か。お兄ちゃんはつかさの手首を掴むと、見えそうで見えない範囲で上げ下げを繰り返して。 【つかさ】 「つかさはお兄ちゃんのことだ~い好きだから、なんでもしちゃうのだ♪」 スカートの中が見られちゃいそうなギリギリな感じが普段裸を見られるのとはまた違ったドキドキを感じて頬をほんのり赤くしながらも小悪魔的な笑みを崩さない悪い妹ちゃん 【お兄ちゃん】 「じゃあそうだね。まずは……ベッドの上で一人エッチをしてもらおうかな」 そう言ってつかさをベッドに座らせると、自分はベッドから離れ、カメラの向こう側に行く。 これからエッチなオナニーショーを、全部撮影してしまうつもりだ。 【つかさ】 「えへ、妹がオナニーしてるとこいっぱい撮られちゃうのだ…v」 興奮を隠せない様子で言われたとおりベッドに上がりカメラに向かって座る。M字開脚のように足を開けばスカートは自然とまくられ秘部が丸見えになってしまう 【つかさ】 「それじゃあ今から…お兄ちゃんの命令でカメラに向かって一人エッチしちゃうのだ♪ すごくドキドキするのだv」 秘部に指を這わせ、既に愛液で濡れ始めている割れ目をくぱぁと開きながら、カメラに向かってそう宣言する。 【お兄ちゃん】 「いいぞ。スカートを自分からまくって、よく見えるようにするんだ」 カメラの向こうから、お兄ちゃんは命令をする。カメラの一つがズームにかかり、つかさの綺麗でつるつるとした秘部を大きく映して録画していく。 【つかさ】 「こうなのだ? それじゃあ始めるのだv ん…v まずはこうやっておまんここねこね…v」 よく見せつけるかのようにスカートをまくりながら、束ねた指を秘部に押し付けてこね回していく。溢れた愛液がお股をてらてらに濡らして。 【お兄ちゃん】 「ずいぶん手慣れてるじゃないか。いつもどのくらいやってるんだ?」 カメラは5台はあるだろう。隠れているのもあるかも知れない。それらの全てが、つかさの痴態を残すために撮影する職務を果たしている。 【つかさ】 「お兄ちゃんの妹はオナニー大好きの淫乱妹なのだv ここにくるまではもちろん毎日してたのだぁv」 はぁはぁv とだんだん息があがってくれば、一度手をどけてぐっしょり濡れたお股を見せつける。 【つかさ】 「オナニー気持よくて大好きなのだぁv しかも撮られちゃって…すごく興奮しちゃうのだv 妹のエッチなところばっちり記録して欲しいのだぁv」 今度は中指を割れ目に沈めていく。しっかり奥まで挿入してそのままゆっくりと出し入れして。 【お兄ちゃん】 「淫乱な妹か。いやらしいなぁ。ふふ、まぁ、俺はそんなかわいい妹の秘密を知ってるけどね」 撮影オナニーだけで秘部がぐっしょりと濡れたつかさを撮影しながら、そんなことを呟く。 【つかさ】 「セックス知っちゃったから、指一本じゃもう満足できないのだぁ…v」 すぐに物足りなくなったのか、一度指を抜いて今度は人差し指と中指を束ねて挿入していく。 【つかさ】 「こう…v 引っ掻くようにv んっv あv 気持ちいいのだ…♪v」 膣内で指を曲げたりと工夫して、自慰に没頭していく。気持ちよさそうに蕩けた表情で、夢中になるにつれて徐々に指の出し入れする早さは上がっていく 【お兄ちゃん】 「そうそう。妹はレイプされちゃったんだよね」 そのレイプした一人であることを棚に上げておきながら、煽るようにそう言って。 【つかさ】 「お兄ちゃんとその友達にいっぱいレイプして貰っちゃったのだv 今でも毎日エッチして貰っちゃってるから、オナニーも久しぶりなのだぁv」 こちらもレイプ被害者とは思えない嬉しそうな様子で語る。最初にレイプされた時のことを思い出して、ますます興奮したのか指の動きは激しさを増す。 【つかさ】 「今はレイプされてるとこ思い出しながらオナニーする変態妹なのだv そんなこと考えてたらもうイッちゃいそうなのだぁ…vv」 親指をクリトリスに当てて、出し入れにあわせて擦りあげる。更なる刺激に、体はどんどん昇り詰めて。 【お兄ちゃん】 「レイプされた時のことを思い出してオナニーするのか。つかさは変態だなぁ。俺はその時の映像を何度も見直してるけどね」 そう言いながらカメラを三脚に固定したまま、遠回りにベッドの向こうに周り、つかさの側に近寄る。 【つかさ】 「そういえばあの時も撮られて…っv 妹のエッチな記録また増やしちゃうのだv あーイクv イクぅv んんーッ♪vv」 背中を仰け反らせながら、ビクビクビクッvと体を震えさせて絶頂に達する。そのままくたりと脱力しベッドに上半身を倒して。 【つかさ】 「はーv はー…v オナニー気持ちいい…v けどやっぱりちょっと物足りないのだぁ…v」 いつの間にか回りこんできてたお兄ちゃんに気付いて、物欲しそうに見上げながらそう呟く。 【お兄ちゃん】 「ふふ、そうだね。それじゃあレイプされちゃう?」 にこり、と笑いながら、脱力した上半身の上に覆い被さりながら、キスをする。 【つかさ】 「ん…v ふぁ…v うん…お兄ちゃん、レイプして…?v」 キスを貰って嬉しそうに表情をうっとりとさせる。ドキドキしながら自分からレイプをおねだりしちゃう淫らな妹。 【お兄ちゃん】 「こっから先は別料金、と言うか、お小遣いに入らないからね」 そう忠告しながら、つかさの両手を後ろ手に縛ってベッドの上に押し倒してしまう。 【つかさ】 「お兄ちゃんにレイプしてもらえるだけでお小遣いより嬉しいのだぁ…v」 いつものように手を縛られ、抵抗できなくなってしまうだけで興奮してしまう。オナニーで既に充分ぐしょぐしょに濡れてしまっているのに、愛液はあきることなく溢れてくる。 【お兄ちゃん】 「お、いいのか? このままだと無理矢理レイプ、つかさのやられ損じゃないのか?」 上着の裾を捲り上げ、下着の付いていない乳首を露わにさせる。そしてそれを指先でつまみ、くにくにとこねくり回す。 【つかさ】 「むりやり犯されるのにお礼っていうのもそもそもおかしな話なのだv レイプなんだから気にしなくていいのだv」 未発達な小さい胸でも、オトナを知っている乳首は快感が待ち遠しいと言わんばかりに固く尖っている。その可愛らしい突起を誰かに弄ってもらうだけで、オナニーより数倍興奮してしまう。体はゾクゾクと気持ちよさそうに跳ねて、すぐに呼吸も乱れ始める 【お兄ちゃん】 「そうだな。兄妹でレイプとかそれだけでインモラルだしな。それじゃあ、背徳的な肉棒で背徳的なレイプをいただこうか」 肩を両手で押しつけると、ベッドに体重が乗っかり、身動き取れそうにない。そこに、ガチガチに固まった指より太い肉棒が、ずぶり、と秘所を抉っていく。 【つかさ】 「あはv お兄ちゃんにレイプされちゃう…♪v あっv あっv 入ってきたv おちんぽっvv 指なんかよりぜんぜん太くて長いのだぁ…っv」 肩を押さえつけられ、その重さがますます無理矢理感を増幅させ興奮してしまう。幼いくせにしっかりと濡れほぐれた秘部は、太い肉棒を簡単に咥えこんで、愛らしくきゅうきゅうvと締めつける。 【お兄ちゃん】 「つかさのまんこはいつも小さくて締め付けが良くていいな! これはレイプされて当然だな」 ぐいぐいと腰を練り動かし、ベッドに体重を掛けて押しつけ、根本深くまで肉棒を入れ込もうとする。 【つかさ】 「お兄ちゃんを満足させるための妹まんこなんだから当然なのだぁv」 ぐいぐいと奥まで貫いてくる肉棒の圧迫感にゾクゾクが止まらず、だらしなく開いた口からは嬌声が漏れる。 【つかさ】 「あぁv ふぁあー…v 奥まで入ってきたのだぁ…vv えんりょしないでv いっぱいずぽずぽしていいのだ…♪v」 オナニーもしていたせいですっかりできあがった妹は更なる快感が待ちきれないのか、はやくはやくと自分から腰をくねらせて激しい動きをせがむ。 【お兄ちゃん】 「そうだな、妹のまんこはお兄ちゃんを満足させるためにあるんだもんな」 ずぶり、ずぶりと、何度も肉棒を抜き差しすると、愛液が溢れていく。シーツをべちょべちょに濡らしながらも、その行為は止まらない。 【お兄ちゃん】 「あぁ遠慮なんてするもんか。なんてったってレイプだもんな」 鼻歌を歌いながら、つかさの秘所を乱暴に肉棒で犯していく。そしてどっぷりと精をつかさの膣内に吐き出していく。 【つかさ】 「あっv あっv レイプ気持ちいいv ふぁv あっv もっとぉv んんっvv」 鼻歌混じりの軽いノリでレイプされて、こちらも喘ぎ声を奏でながら快感に酔いしれる。性処理玩具のように乱暴に扱われるのがとても興奮してしまう。 【つかさ】 「ふぁぁv 出てるv あついのがぁ…いっぱい♪vv お兄ちゃんに…中出しされちゃってるのだぁ…vv」 【つかさ】 そのまま容赦なく精を吐き出され、子宮に注がれる熱の快感と幸福感、無抵抗に中出しされてしまう興奮でこちらも軽くイッてしまう。膣は精をあまさず絞りとるかのようにぎゅうぎゅうvきつく肉棒を締め付ける。 【つかさ】 「あは…v もちろんこれで終わりじゃないのだ…?v もっともっとお兄ちゃんの精液で妹を汚して欲しいのだ…vv」 さんざんレイプされてセックスにすっかりハマってしまった今では一回中出しされただけでは到底満足できないようで、火がついたようにもっともっと快感を求めて、更なるレイプをおねだりする。 【お兄ちゃん】 「そりゃレイプだからな。女の事なんて気にせずに中出しさ」 最後の一滴まで膣の中に入れようと、突き刺すように腰を入れる。 【お兄ちゃん】 「さて、どうしようかなー。お兄ちゃんちょっと疲れてきたしなー」 そう言って煽る。行動の決定権はお兄ちゃんにあるのだ。つかさをイかすも殺すも、お兄ちゃん次第なのだ。 【つかさ】 「そんなぁv 終わっちゃヤなのだぁv もっとレイプして欲しいのだぁv お小遣いもいらないからv もっとセックスしてよぉv お兄ちゃん♪v」 続きの行為を渋るお兄ちゃんに、いやいやもっとと必死におねだりする。 【つかさ】 「もっとレイプしてくれないと満足できないのだぁv いつもみたいにいっぱい中出ししてくれなきゃヤなのだぁv ね、もっと犯してv お兄ちゃあん♪vv」 お兄ちゃんの気をひこうと、ぐいぐい腰を押し付けながら甘い声でレイプをおねだりするわがままな妹。 【お兄ちゃん】 「しょうがないなぁ。これじゃ、まるで逆援交だね。しかもレイプ希望とか、とんでもないドエムだ。ふふ、もう元の生活には戻れないね」 辞める気は全くなかったのだが、つかさの必死のおねだりがかわいくて、ついつい誘ってしまう。そして小さくキスをする。 【お兄ちゃん】 「もうお外に出れないぐらい、レイプしてあげる」 耳元で囁き、甘く噛みながら、ゆっくりと肉棒を前後させる。これからまたレイプが始まっていく。 【つかさ】 「やったぁv お兄ちゃんのおちんぽなしじゃ生きていける自信ないのだ♪v」 おねだりが成功して嬉しそうに顔を輝かせ、おまんこも嬉しそうにきゅんきゅん愛らしく肉棒を締め付けて。 【つかさ】 「お兄ちゃんのレイプで見るも無残な姿になっちゃうまで犯し尽くして欲しいのだ…♪vv」 ゆっくりと動き始める肉棒がこれから始まるレイプショーを想像させてまたゾクゾクと昂ってしまうドMな妹。恍惚な表情を浮かべながらまた快楽に溺れ嬌声を奏で始める。 【お兄ちゃん】 「つかさは変態だなぁ」 くすくすと笑いながら、つかさの耳元に口を近づけて。 【お兄ちゃん】 「もう誰にも見せられないような姿にしてあげるよ」 そう言ってレイプショー第二部を開幕させるのであった。
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/1971.html
ミーナ「ルッキーニ、あなた、そのコート着ていくの?ケーキとりにいくだけよね?」 ミーナ中佐が準備完了した私の姿を見て笑みを浮かべる。 ルッキーニ「だって、このコート着たいんだもん。クリスマス・イヴだからいいでしょ」 真っ白いフード付のコート。すっごくすごくかわいいの。 ついさっきシャーリーがくれたばかりの物。さっき彼氏さんと過ごすからってここを出るときに、クリスマスプレゼントだってくれたんだ。 もう見た瞬間に、一目惚れっていうくらい気に入ったんだよ。 シャーリーがくれるお洋服は、シンプルなんだけどかわいいものばかり。 リベリオンで買ってきたものだからちょっと流行おくれかもってシャーリーは言ったけど、そんなこと全然ない。全部、ものすごく気に入ったんだ。 その中でもこのコートは別格。 目に入った瞬間、あまりにも嬉しすぎて言葉が出なかった。 だって、このコートがもしデパートとかで売っていても、ミーナ中佐は絶対に買ってくれなかったと思う。 白は汚れやすいし、よそゆき用でどこにでも気軽に着ていくようなものじゃないから。虫をとったり、外で遊ぶのが大好きな私にはあわないだろう。 真っ白でマントみたくなっていて、フードのところにふわふわのフェイクファーがついているの。 シャーリー曰く、『一歩間違えるとてるてる坊主』だそうだけど、でも、本当にすごくすごくかわいい。 ミーナ「デートじゃなくて残念ね」 デートというひびきにはあこがれるし、501の中にはもう彼氏がいる子もいたりするけど……シャーリーとか……でも、私には全然実感がわかない。 クリスマスだって、みんなでクリスマスメニューの豪華ディナーとケーキを食べて、それからプレゼント交換して……それだけで十分楽しみだから。 ルッキーニ「いいの。ルッキーニには俺兄ちゃんがいるもん。明日は俺お兄ちゃんとデートだもん」 五歳年上の俺お兄ちゃんは一六歳。部隊に唯一の男性のウィッチで、 毎日毎日訓練に励んでいるの。501の名に恥じぬエースになるんだって。 そのお兄ちゃんの訓練も、今日は午前中で終わり。だから練習終わった午後はロマーニャに連れて行ってもらう約束をしている。いろいろ買い物するんだ。 どのお店も、きっとツリーがいっぱいでキレイだとおもう。 ミーナ「本当にルッキーニはお兄ちゃん子よね」 だって、ルッキーニ、お兄ちゃんが一番好きだもん。もうミーナ中佐なんて耳タコになってると思うから言わないけど。 芳佳はロッテの相棒のオレさんが好きなんだって。 でも私にはそういうのよくわからない。好きか嫌いかの二択で言えば、基地の大半の仲間は好きだと思う。でも、つきあうとかつきあわないとか、そういう対象じゃない。 グループデートっていうか、男の子も女の子も一緒に遊びに行ったりもするけれど、本当は私はお俺兄ちゃんとおでかけする方が好き。 俺お兄ちゃんは休日も自主訓練ばかりだから滅多にそんなことできないけど……。 ルッキーニ「だって俺お兄ちゃんが一番かっこいいもん。だいたい、この齢から彼氏とデートなんて言ったら俺お兄ちゃん卒倒しちゃうよ」 お兄ちゃんよりかっこよくて優しい人なんていないもん。 ミーナ「そうねかもね……それに俺さんも絶対うるさいわよ」 私とミーナ中佐は共犯者みたいに視線を交わした。お兄ちゃんは、私にものすごく甘くて、それから超がつくくらい過保護だった。 ルッキーニ「いってきま~す」 いってらっしゃいの声を背に聞いて、玄関の外に足を踏み出す。 まだ6時になったばかりなのに外はもうすっかり暗かった。 ほぉっと吐いた息が、夜の中でも白く映る。 頬を撫でたその風の冷たさに首をすくめた。 でも、お気に入りの白いミトンが風の入り込む袖口を、フェイクファーのイヤーマフが耳をしっかりと防寒していたから大丈夫。 ピカピカと点滅するライトに飾られた道を早足に急ぐ。 映画で見たみたいに、このへんの家の庭も12月になるとクリスマスデコレーションが盛んだ。 生垣にライトをからませているだけのシンプルなお庭もあれば、スノーマンやサンタの人形が飾られていたり、ミッキーやミニーのプレートが飾られたりしているお庭もある。 基地もももちろんミーナ中佐が率先してみんなで飾り付けをしていた。 駅前の賑やかな通りの方からジングルベルやクリスマスキャロルとかのいろんなクリスマスソングが聞こえていた。 音の源は、ケーキ屋さんとかハンバーガーショップ……きっとサンタの格好をしたアルバイトのお兄さんやお姉さんが店頭販売をしているに違いない。 ケーキを頼んだのは駅前からちょっと入ったとこの地元のケーキ屋さん。 百貨店で買う有名店のケーキもおいしいけど、私はここのケーキが一番好き。絶対に隠れた名店だと思う。特に苺ショートは絶品なの。 見た目は他のお店と変わらない苺ショートなのに、苺はちゃんと甘くてクリームは甘さ控えめでスポンジはしっとりとふわふわ。 その三つが重なると、もうほっぺた落ちそうなくらいおいしい苺ショートになるんだよ。 これまでいろんなお店の苺ショートを食べたけど、これよりおいしい苺ショートにはまだお目にかかった事がない。 甘いモノが苦手な俺お兄ちゃんだって、ここのケーキは大好きだもん。 弾んだ足取りで通い慣れた……でもいつもと様子の違う道を急ぐ。 駅前はちょうど電車が着いたばっかりだったのか人があふれていた。それもカップルが多い。あと、やっぱりケーキやお菓子の袋を抱えた人。 駅の横を通り抜けていこうとして、駅の掲示板の文字に目がいった。 雪が激しく、機関車が止まっているという。どうやら駅前にあふれている人々はその影響らしい。 ??「あーっ、!機関車止まってるじゃん」 ちょっとだけ考え込んでしまった私の後ろで声がした。 振り向いたら、そこにいたのは軍服姿の集団。いろんな国の軍服が混じってた。ものすごく背の高い人もいれば、私より少し高いだけの人もいる。 みんな腰には銃、全身冬服の正装という格好で、少し近寄りがたい雰囲気をしていた。 (どこの部隊の人たちかな……) お兄ちゃんの、扶桑の軍服を着ている人もいたし、スオムスの士官服の人もいた。 でもどこの部隊なのかな?実験部隊って感じじゃないし、10代から20代……ううん、もしかしたらもっと年上かもしれない人も混じってるし……なによりいろんな国の人が集まってるし…。 ルッキーニ「……あっ」 そんなことを思って、一人の背に501の文字を見た瞬間、小さく声が漏れた。思ったより声が響いたのか、数人の人が振り向く。 俺「ルッキーニ……」 そこに、兄と慕う俺お兄ちゃんがいた。 ルッキーニ「お兄ちゃんっ」 嬉しくなって、思わずお兄ちゃんに抱きつく。 俺「おまえ、何でこんなとこいるんだよ。もうこんなに暗いのに……」 やっぱりお兄ちゃんは過保護だ。でも、そんな優しいところも大好き。 ルッキーニ「クリスマスのケーキ、取りにきたの」 俺「……こんな暗いのに一人で来たのか?みんなは?」 ルッキーニ「みんなお夕食のしたくしてるよ。ルッキーニが一人で取りにいってくるって言ったの」 だってクリスマスだし……よそのおうちのお庭のピカピカ見たかったし……って言ったら、まったくしょうがねえなと言ってお兄ちゃんは口元に笑みを浮かべた。 ちょっと困ったようなその表情がいつものお兄ちゃんだった。 一緒に帰れる?と聞いたら、当たり前だろと笑って、それから、くしゃっと頭をなでてくれた。 ??「なあなあ、この子、俺の妹?」 急にのぞきこまれてびっくりした。お兄ちゃんのお友達らしい。 友「……すっげー、かわいー。あ、俺、友っていう、よろしくね」 その隣の金色の髪の人がにこっと笑った。わけがわからなかったけど、小さく頭を下げた。お兄ちゃんのお友達だから無視したらダメだし。 ??「ねえ、ねえ、名前、何て言うの?」 端正な容姿の人がすごい人なつこい笑顔で笑う。目のところに泣きボクロがある。あ、たぶん、この人はおれさんだ。お兄ちゃんの話によく出てくる。 お兄ちゃんの同僚で、女たらしで有名らしい。 ルッキーニ「あの……」 どうしようと思ったらお兄ちゃんがぐいっと私を腕の中に抱きこんだ。 私は部隊でいちばんちっちゃい。背が低いからお兄ちゃんの腕の中にはすっぽりとおさまってしまう。 こんな何気ない、お兄ちゃんにしてみればなんでもない、こんな仕草にもいちいちドキドキさせられる。 俺「友、おれ、ウチの妹にちょっかいだしてんじゃねーよ」 友「えー、ずりーぞ俺、いいじゃん、紹介くらいしてくれたって」 おれ「そうだよ。そんなかわいい妹いるなんて聞いてなかったぞ」 俺「えーい、寄るな。おまえらになんか紹介できるか」 友「俺、横暴だぞ」 まるで子供みたいな言い争い。 ??「おいお前達、いい加減にしろ」 落ち着いた、少し高い声がお兄ちゃんたちの間に割り込んだ。 俺「少佐…」 おれ「げっ……少佐」 少佐?「すまないね、部下が怯えさせたみたいで……」 少佐と呼ばれたその少女は少し腰をかがめ、私と同じ目の高さになってにこっと笑いかけた。 ルッキーニ「別に、大丈夫です」 お兄ちゃんのコートをきゅっとつかんだままで、首を横に振った。 だって、別に怯えてたわけじゃない。初めて会うお兄ちゃんのお友達だったから、どうしていいかわからなかっただけ。 少佐?「えーと、ルッキーニちゃん?」 お兄ちゃんが呼んだ私の名前をちゃんと聞き留めたらしい。 ルッキーニ「はい」 少佐?「少佐といいます。お兄さんの上官です、よろしく」 ちょっと驚いた。だって、同僚とか部下だと思ったから。だってどうみたってお兄ちゃんより年上には見えない、華奢な女の子だ。 でも、外見には見えない落ち着きようだった。 ルッキーニ「こちらこそ、お兄ちゃんをよろしくお願いします」 ぺこっと頭を下げた。知らない人には礼儀正しくしないとね。 少佐さんは確かお兄ちゃんの扶桑にいた頃の上官のはずだった。名前に聞き覚えがある。 ぷっと誰かが吹いた。 俺「……ルッキーニ、俺は少佐に面倒なんてみてもらってないって」 ルッキーニ「でも、一応、ご挨拶しとかないと」 そんなのいいんだよ。と、お兄ちゃんは肩をすくめて苦笑気味な表情で笑った。あ、今の、私の好きな笑い方だ。 俺「……じゃあ、俺、帰るから。みんなも気をつけてな。東に5分ほど歩けばバス亭があるから、そっからでも帰りな。」 「おう」だとか「じゃあな」とか、それぞれにみんながリアクションを返す。 おれ「じゃあな、ルッキーニちゃん」 友「またね」 少佐「俺のこと、よろしくね。」 みんなが声をかけてくれたので、ちょっと嬉しかった。 ルッキーニ「どうもありがとう。……あの、えっと……メリー・クリスマス」 みんな、笑いながら、みんなメリークリスマスと言ってくれた。 (……24……25……) ルッキーニ「……ねえ、お兄ちゃん。今度、お兄ちゃんの友達の所に、連れてって」 お兄ちゃんの友達。どんな人なんだろう?じつは少し気になったり…主に少佐さんとお兄ちゃんの関係とか。 扶桑にいたころの上官のはずなのに、なんでまた会ってたんだろう? ケーキの箱はお兄ちゃんが持ってくれた。重いバックを肩からかけてても、ケーキの袋を片手で持てるの。 やっぱり男の子なんだなぁと、こういう時にあらためて思う。 (……26……27、28……) だから私は手ぶら。あ、違う。右手はお兄ちゃんと手をつないでる。暇だから、駅からずっと目に付いたクリスマスリースの数を数えてみたりした。 俺「ダメ。俺、おまえ連れて行ったら心配で困っちまう。」 お兄ちゃんは本気でダメっていう顔をしていた。こういう時は何回言ってもダメなの。だけど、もう少しだけねばってみる。 ルッキーニ 「えー、でも、みんなまたねって言ってくれたよ」 俺「だーめ」 お兄ちゃんは、基本的に私に甘い。 ルッキーニ「いい子にしてるよ?」 俺「だめだって」 ほら、困った顔してる。 ルッキーニ「邪魔なんてしないよ」 俺「なんのだよ」 もう一押し。 ルッキーニ「どうしてもダメ?」 上目づかいに見上げて首を傾げる。 俺「……だめだよ。その代わり、明日、ケーキおごってやるから我慢しろ」 ルッキーニ「わーい」 どこのケーキがいいかな? クリスマスケーキは苺ショート系だから、チョコレートクリームがいいかな……でも、フルーツたっぷりのタルト系も捨て難いな~。 俺「まだ、色気より食い気かよ……」 俺お兄ちゃんはちょっとだけ呆れたような、でも、どこか嬉しそうな顔で笑った。 ルッキーニ「違うもん」 だって、大事なのはケーキじゃないの。 喫茶店とかケーキ屋さんで、お兄ちゃんと一緒に食べるのが大事なの。 本当のデートみたいでしょ。 だけど、そんなこと教えてあげない。 俺「何が違うんだよ」 ルッキーニ「な・い・しょ」 不思議そうに問うお兄ちゃんの目を見て、くすっと笑ってみせた。お兄ちゃんの目が丸くなる。 (……33っと……) 基地の玄関のリースでちょうど33個目。ゾロ目だ。ゾロ目って何かラッキーっぽい感じがする。 俺「ルッキーニ」 ルッキーニ「なぁに?」 振り向いたらお兄ちゃんが少し照れたような、くすぐったい笑みを浮かべて言った。 俺「その…新しいコート、似合ってる」 ルッキーニ「……えへへ。あのね、シャーリーからもらったの」 俺「シャーリーから?」 ルッキーニ「うん。シャーリーから、いっぱいお古のお洋服もらったんだ。」 俺「へえ……」 お兄ちゃんは優しく微笑む。 ルッキーニ「優しそうな人だったよ、彼氏さん」 俺「えっ!!?かっ…彼氏!!?」 にこにこ笑顔の素敵な人。でも、少し黒そうだったけど、それは言わないでおく。 それにしても、恋に疎いお兄ちゃんはやっぱり気づいてなかったのか…… ルッキーニ「うん。この間、お洋服くれたときに、一緒にきてたの。ロマーニャ近くの研究所の職員さんなんだって。」 俺「……………」 沈黙。ずいぶん驚いてるなぁ、お兄ちゃん。 共に音速を目指す二人は一緒に研究、実験をしているうちに…ってことなんだろう。 ルッキーニ「それでねそれでね!シャーリーのリベリオンの時の学校の先生だったんだって」 私はとっておきの情報を教えてあげた。 俺「えっ」 ルッキーニ「内緒でつきあってたのかな?お兄ちゃんも扶桑にいた時、学校の先生と付き合ってたりした?」 俺「……んなわけねーだろっ。ルッキーニ、お前も、整備兵のおっさんと付き合ってたりしないよな!!?」 ……お兄ちゃんは急にすごく真剣な表情になる。 ルッキーニ「大丈夫だよ、ルッキーニ、あんまり年上すぎるのも好みじゃないし」 俺「そんなこと言ったって、ルッキーニはかわいいんだから……。相手が何考えてるかわかんないんだから充分注意するんだぞ」 世の中ロリコンってもんが溢れてるんだからなとお兄ちゃんは真面目な表情で言い諭す。お兄ちゃんはたいへん想像力がたくましい。 ルッキーニ「大丈夫。ルッキーニの一番はお兄ちゃんだから……」 ねっ、と小さく首を傾けて笑って見せて、それからお兄ちゃんとつないでいた手を離して、玄関のドアを開けた。 ルッキーニ「ただいま~」 宮藤「おかえりなさい。あれ、俺さん、どうかしましたか…?」 俺「……な、な、な、なんでもない」 顔赤いよ、お兄ちゃん。 私の一番はお兄ちゃんだけど、この分だとお兄ちゃんの一番も、まだまだ私のものみたい。 (……簡単には、渡したりしないもん) そう。そこんじょそこらの女の子になんか渡したりしない。 くすりと私は心の中で笑みを漏らした。
https://w.atwiki.jp/imouto780/pages/26.html
耳はみ ◆HvR2OEzdA 「うゆー。牛乳ー。」 初登場は#50の757 16才の164.3cm、体重は44kg 貧乳/A(ここ重要) ターゲット兄で、18才・176?・58? ぶっきらぼうで声はギルティのソルに似ているとの事 また二人とも重度の音楽オタ、ジャンルはHR/HM・デス・TMGE・NIRVAN FFのロック、ヴィンセント、ジェクト、ザルバックが好き 撫でると「うゆー」と鳴いたりします、また名前の通りのドジっこw────────────────────────────────────────────── #67ではなぜ兄が好きなのかについて語っている 結構ヘビーな話なので心して見ましょう 耳はみの訓示 882 名前:耳はみ ◆HvR2OEzdA. [sage] 投稿日:2006/03/18(土) 15 20 48.28 ID 48JY8+7wO 諸君 私はお兄ちゃんが 好きだ 諸君 私はお兄ちゃんが 好きだ 諸君 私はお兄ちゃんが 大好きだ 優しさが好きだ 冷静さが好きだ しっかりしているのが好きだ 大きい手が好きだ 逞しい腕が好きだ 広い胸が好きだ たまに見せる笑顔が好きだ 恥ずかしい台詞が好きだ 柔らかい唇が好きだ 平原で 街道で 凍土で 砂漠で 海上で 空中で 泥中で 湿原で この地上で行なわれる ありとあらゆる お兄ちゃんの行為が 大好きだ 諸君 私はお兄ちゃんを 身悶える程の お兄ちゃんを 望んでいる 諸君 私に付き従う お兄ちゃん好きの諸君 君達は 一体 何を 望んでいる? 更なる お兄ちゃんを望むか? 情け容赦のない 悶え死ぬほどの お兄ちゃんを 望むか? 甘えの 限りを尽くし 三千世界の住人達を恥ずかし殺す 嵐の様なお兄ちゃんを 望むか? 「お兄ちゃん!! お兄ちゃん!! お兄ちゃん!!」 よろしい ならば お兄ちゃんだ 我々は 愛情をこめて 今まさに お兄ちゃんに 抱き付こうとする 甘えん坊だ だが この暗い闇の底で 四年間もの間 堪え続けて来た 我々に ただのお兄ちゃんでは もはや足りない!! 恋人を!! 一心不乱の恋人を!! 887 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2006/03/18(土) 15 22 48.22 ID /6nYk2F/0 ところで、作戦名は何になるんだ? 892 名前:耳はみ ◆HvR2OEzdA. [sage] 投稿日:2006/03/18(土) 15 25 37.94 ID 48JY8+7wO 887 作戦名。第一次運命共同体作戦。 征くぞ、諸君。
https://w.atwiki.jp/srwkdm/pages/433.html
31代目スレ 2009/12/13 お客が来たのは、お昼寝を邪魔された日曜の午後のことだった。 お隣に住む、幼馴染みのヴィレアムくんが慌てた様子でうちに駆け込んできた。 「大変だ、久保さんが!」 クォヴレーお兄ちゃんが消えた。ヴィレアムくんの話を、わたし、ゼラド・バランガ は最初信じなかった。 お兄ちゃんには、並行世界を護るっていう使命がある。並行世界っていうのは何千何万 とあるから、使命はなかなか終わらない。わたしが知る限り、お兄ちゃんはもう20年近く あちこちの世界に旅立って戦っている。 そういうわけだから、お兄ちゃんはよく家を留守にする。でも、なにもいわずにいなくな ったりなんかしたことはない。絶対に、わたしやお母さんたちに挨拶をして行く。そして、 「必ず帰ってくる」って約束してくれる。お兄ちゃんが約束を破ったことはない。 「久保さんと組み手をしていたんだ」 ヴィレアムくんは、よくお兄ちゃんとプロレスごっこみたいなことをしている。わたしは ケンカなんか大嫌いだからそんなことはして欲しくないんだけど、ヴィレアムくんはお兄ちゃん が帰ってきたとなると週2ペースでお兄ちゃんに挑戦してる。たぶん、ヴィレアムくんの 趣味みたいなものなんだろう。もちろんお兄ちゃんが負けるはずがない。今までの戦績は、 ヴィレアムくんの0勝たくさん敗だ。それでもヴィレアムくんはお兄ちゃんに挑み続ける。 ますますあり得ないことだった。あの真面目なお兄ちゃんが、ごっこ遊びといっても 勝負を途中で投げ出すはずがない。 「本当なんだ!」 ヴィレアムくんの話はこうだった。 間合いを詰めてこようとするお兄ちゃんに対して、ヴィレアムくんは膝を合わせて対応 しようとした。こないだ見たK-1の真似だそうだ。ところがお兄ちゃんは、その脚をかっさ らってヴィレアムくんを放り投げた。 倒れたヴィレアムくんが起き上がってみると、お兄ちゃんは忽然と消えていたそうだ。 ◆ わたしは半信半疑のまま、ヴィレアムくんに案内されて現場に向かった。 ヴィレアムくんとお兄ちゃんがプロレスごっこをしていたのは、ケイサル神社の境内 だそうだ。 ケイサル神社っていうのは、わりとつい最近この町に出来た神社だ。もとは廃墟のよう なところだったのを、ケイサル・エフェスおじいちゃんが改装して住み着いたんだ。ケイ サルおじいちゃんはまつろわぬ霊たちたちの王様だから、まあ神主っていえば神主って いえないこともない。 神社の境内は、しんと静まりかえっていた。ひと気はまったくない。一応社務所のほう も覗いてみたけど、ケイサルおじいちゃんは留守みたいだった。 「いったい、どうしちゃったんだろう」 わたしは境内の中央に立って腕組みをした。 「俺をからかって隠れたのかな」 「お兄ちゃんがそんな悪ふざけするはずないよ」 お兄ちゃんは、おおよそ冗談とかおふざけという言葉からはほど遠いひとだ。 じゃあ、なんでお兄ちゃんは消えたんだろう。 このままお兄ちゃんが帰ってこなかったらどうしよう。ちくりと胸が痛くなる。 そしてひとつの可能性に行き当たる。お兄ちゃんが黙っていなくなることがあり得る としたら、それは誰かを護るため自分を犠牲にするためだ。この場合、近くにいたヴィ レアムくんのことだ。 わたしははっと息を呑んで、出かけた言葉を引っ込めた。 男の子っていうのは、ヘンなところでプライドが高いものだ。ここでわたしの推理を 口にすれば、多分ヴィレアムくんは傷付くと思う。 「とにかく、探してみようよ」 わたしは目を大きく見開いて神社の中を探し始めた。 ケイサル神社はオーソドックスな造りで、ちょっとした小山の上に立っている。階段を 登ると鳥居があって、灯籠が並ぶ奥に本殿がある。わたしは本殿のまわりや賽銭箱の裏を 探してみた。やっぱり誰もいない。境内のまわりに広がっている地面を見てみたけれど、 足跡はなかった。 話によると、ヴィレアムくんは鳥居を背にお兄ちゃんと向かっていたそうだ。つまり、 お兄ちゃんは神社から出ていないっていうことになる。この神社がまるごと大きな密室 みたいなものだ。 「まさか、なにかあったんじゃ」 ヴィレアムくんが不安そうな顔をする。 わたしは大きく深呼吸をした。キュゥンと、頭の奥で脳ミソが動き始めるのがわかる。 今までにも、こんなことが何回もあった。おかしな事件が起こって、謎を解かなきゃ ならない状況だ。 本当をいうと、わたしは推理っていうものがあんまり好きじゃない。推理っていうのは、 ひとを疑うことだ。わたしは、相手が誰であっても疑ってかかるのはよくないと思う。 でも、事件っていうのは誰かが悲しい思いをするものだ。わたしがイヤな思いをするのと、 誰かが悲しむのを比べると、迷ってなんていられない。 わたしはもう一度神社のなかをまわってみた。賽銭箱や鳥居、灯籠を押してみる。どれも びくともしなかった。隠し通路みたいなものがあるようには見えない。 わたしはもう一度考えてみた。当たり前だけど、隠し通路っていうのは隠れていないと 意味がない。つまり、普通じゃ考えられない方法で入り口が開くように出来ていなければ ならない。お兄ちゃんが隠し通路を使ったとしたら、痕跡があるはずだ。 灯籠の中を見る。落ち葉が積もっているだけだった。 賽銭箱にも、不審な継ぎ目みたいなものはない。 そのときだった。ふと、目に着くものがあった。 手水舎だ。手を洗うための水を溜めておく水盤の下に、溝が作られている。その溝が、 ちゃぷちゃぷと水で満たされていた。 おかしい。たしかにこの神社は、もとは廃墟だった。でも、いまは悩み相談だとか いって参拝してくる人がけっこういるっていう話だ。あんがい几帳面なケイサルおじい ちゃんが、溝を水でいっぱいにしておくはずがない。 つまり、溝に栓みたいなものがされていて、溝をせき止めているんだ。 「あ、おい、ゼラド」 わたしは手水舎に駆け寄った。 目をお皿にして溝を見てみる。あった。溝の一部に、丸い栓がされている。 「あ、なんだよ、これ」 「待って!」 栓に手を伸ばそうとするヴィレアムくんを、わたしは慌てて止めた。 お兄ちゃんは一瞬で消えたんだ。溝から水が流れ落ちるには、少しだけど時間がかかる。 なにか、一瞬で出来る方法があったはずだ。 あ、そうか。 わたしは水盤に載せられていたひしゃくを取った。水をひとすくいして、溝に落とす。 溝はいよいよ水でいっぱいになって、いまにも溢れそうになった。 「ゼラド!」 ヴィレアムくんがわたしに手を伸ばす。 ひょんと足場がひっくり返って、わたしは空中に放り出された。ケイサル神社の下には、 地下室があったんだ。 高さは三メートルくらいだろうか。わたしは真っ逆さまに落ちた。地面にぶつかる! わたしは思わず目をぎゅっとつむった。 「うぐっ!」 背中でヴィレアムくんの声がした。 落下は止まっている。でも、わたしの身体に痛みはなかった。 ほっぺたに、妙に熱いものが当たっている。 「うひゃあっ!」 わたしは思わず飛び退いた。ヴィレアムくんだ。ヴィレアムくんが、とっさにわたしを 抱きしめて地面に激突したんだ。 心臓がばっくんばっくんとうるさい。ほっぺたに、薄いシャツ越しに感じたヴィレアム くんの胸板の体温が残っていた。 「ゼラド、無事か」 大したケガはしていなかったらしい。ヴィレアムくんは顔をしかめながらも立ち上がる。 地下は、ちょっとした教室ほどの広さがあった。洞窟みたいだけど、暗くはなかった。 壁が薄ボンヤリと光っている。 出口はどこだろう。それに、お兄ちゃんはどこにいるんだろう。 ぐるりとあたりを見まわしたわたしは、地下室の奥にうずくまっている人影を見つけた。 お兄ちゃんじゃない。もっと小さい。女の子だ。 「ルサイケちゃん!?」 ケイサルお祖父ちゃんの孫みたいな存在であるルサイケちゃんだった。わたしの声に 振り返った顔は、青ざめて震えていた。 「どうしたの!?」 駈け寄ろうしたわたしを、追い抜くひとがいた。ヴィレアムくんだ。 「ゼラド、すぐにここから出るんだ!」 「どうしたの」 「ルサイケがそういってる!」 ルサイケちゃんはひどく小声で喋るんだけど、どういうわけかヴィレアムくんには 聞き分けられるらしい。ルサイケちゃんをさっと抱き上げたかと思うと、わたしを見た。 なんだ、誰にでもああいうことするんだな。わたしの胸がなんだかモヤモヤし始める。 なんだろ、いったい。 「出口はどこだ?」 きょろきょろとあたりを見まわし始めたヴィレアムくんの顔が、はたと止まった。 わたしはヴィレアムくんの視線を追った。 お兄ちゃんがいた。でも、違う。お兄ちゃんは少し青みがかった銀色の髪を持っている。 それが、真っ赤に変わっていた。目つきもなんだか悪くなっている。 「ゼラド・バランガというのか、汝は」 妙に反響する声で、お兄ちゃんの顔をしたなにかはいった。 「あなた、誰。お兄ちゃんじゃない」 「我は闇、我は絶望、我は破滅と終焉をもたらす者。 戦い続ける愚者を駆逐し、世界を永遠の安寧に導く者」 「なにいってるの!?」 「我が名はクボウレイ。前知的生命体の命を摘み取ろう」 「クボウレイって、あなたなにいってるの!?」 「こう書く」 お兄ちゃんの姿をしたなにかは、地面にしゃがみ込むと、やけに長く伸びた爪で ガリガリと『駆暴麗』と書き付けた。 「やめてよ! お兄ちゃんの名前にヘンな当て字しないで!」 「ファファファ、100倍破滅の臭いがする」 「そんなもの、させなくていいから!」 「ゼラド、下がってろ!」 わたしにルサイケちゃんを押し付けて、ヴィレアムくんが駆け出した。駆暴麗とか名乗 ったヘンなのに跳びかかる。その身体が、空中で止まった。天井から大きな爪のようなもの が2本突き出して、ヴィレアムくんをつまんでいた。 「失せろ。汝のような背丈の高い男に用はない」 「くそっ、離せ!」 脇腹から血を滲ませながらも、ヴィレアムくんがもがく。でも、爪はがっきりとヴィレ アムくんをつかんだまま離さない。 「ヴィレアムくん!」 「汝のような育った女にも用はない」 駆暴麗がふと上を見る。天井からまた2つ、爪が現れてガリガリとまわりの土を削り始めた。 「なにをする気!?」 「知れたこと。ここから出るのよ」 駆暴麗がニヤリと笑う。お兄ちゃんの顔で、なんてイヤな顔をするんだろう。 「ケイサルめ。我をこんなところに閉じこめたつもりか」 「ここから出たら、どうする気?」 「いったはず。全知的生命体を駆逐する」 「そんなこと、させないんだから!」 わたしはルサイケちゃんを背中にかばって、駆暴麗に跳びかかった。お兄ちゃんの、 細く引き締まった腕に飛び付く。 間近で、お兄ちゃんの顔が醜く歪むのが見えた。 「この男の脳にある情報よりも凶暴だな、ゼラド・バランガ」 「お兄ちゃんを返して!」 「知的生命体は皆そうだ。なにかを護ろうとして、凶暴になる。 誰も黙して平和を待とうとしない」 「待ってたら、平和になるっていうの!」 「いつかすべてが滅べば、宇宙は平和になる」 「そんなこと、許さない!」 ファファファ、と駆暴麗は異様な声で笑った。 「この男もおなじことをいっていたな。 その童女を護ろうとして」 ようやく、すべてに合点がいった。お兄ちゃんは、この地下室でルサイケちゃんが 駆暴麗に取り憑かれそうになっているのを感じ取ったんだ。そして、ルサイケちゃんを 護るために自分が代わりに取り憑かれた。お兄ちゃんはいつもそうだ。誰かのために 自分を犠牲にしたがる。 待ってるわたしが、どんな気持ちでいるかも知らずに。 「あなた、絶対に許さない!」 「黙れ」 天井から爪が飛び出して、わたしの肩に突き刺さる。激痛に、思わず声が漏れた。でも 駆暴麗の腕から手を離すことはしない。離すもんか。 「わからない小娘だ。汝のような育った女に用はない。 我は本来、童女と見まごうばかりの童子にしか取り憑かないのだから」 「なにいってるの!」 「この男の脳を調べたぞ。どうやら、我の器に相応しい童子がこの町にはいるようだ」 「誰であっても」 「アオラ、とかいったかな」 頭が、カッと熱くなった。この駆暴麗は、アオラを、わたしの弟を狙ってる。 「絶対に許さない!」 わたしは駆暴麗の腕から手を離した。握り拳を固めて、駆暴麗に殴るかかった。痛い。 わたしは格闘技なんて習ったことない。拳が裂けて血が滲んだ。 「アオラに手出しなんかさせない!」 「愚かなりゼラド・バランガ!」 「愚かなりラルヴァ!」 突然、洞窟をびりびりと揺るがすような大声が響いた。 ルサイケちゃんだった。ううん、違う。やっぱり目つきが悪くなって、瞳がうっすら と輝いている。その背後には、火で出来た土偶のような影が浮かび上がっていた。 「ぬぅぅ、ル=コボル!」 ラルヴァと呼ばれた駆暴麗が口にしたのは、意外な名前だった。 ル=コボルは、超古代人の絶望かなにかが固まって出来た精神生命体だ。以前、わたしの 幼馴染みであるクリハにちょっかいを出して追っ払われたはずだった。 「ラルヴァ! 貴様、我を出し抜くつもりか!」 「器を見つけ出せぬ貴様がノロマなのだ!」 ふふふ、とル=コボルと呼ばれたルサイケちゃんは不敵に笑う。 「我が何故なかなかこの小娘に取り憑かなかったかわかるか」 「10歳を越えているからであろう」 「いいや、この小娘、すでに17になる!」 「なに」 たしかにルサイケちゃんは小柄で童顔だけど、いくらなんでも10歳児呼ばわりはひどいと思う。 「ふふふ、それがどうした。しょせんは一瞬、仮初めの器」 「では、貴様がいま取り憑いている器はなんだ」 「たしかに、少々歳を取りすぎているが」 「それどころか、戸籍上の年齢は四十路近い!」 「なぁにぃっ!?」 ラルヴァが、死にそうな絶叫を上げる。 「童子にしか取り憑かない貴様には、耐えられないであろう!」 「バカな、バカなぁ!」 「お互い似たような身の上。 精神生命体である我々にとって、アイデンティティの崩壊は死に等しい!」 「おのれ、おのれぇぃっ!」 「消えろラルヴァ! 器を選び損ねたウッカリ者め!」 口を絶叫の形に固めたまま、お兄ちゃんの髪の毛がもとの銀髪に戻っていく。ラルヴァ が出て行ったんだ。 同時に、天井から生えていた爪も消えた。どさと音をさせて、ヴィレアムくんが落下する。 「あの」 「礼などいらぬ」 ルサイケちゃんに取り憑いたル=コボルがニヤリと笑う。 「我もまた、器となるべく童女を探している身なれば」 「そんなこと、させないんだから」 「汝に何が出来る」 「この町はわたしの庭だもん。誰も、泣かせたりなんかしない」 「今の汝にそれが出来るのか」 わたしの返事を待たないまま、ル=コボルは消えた。ルサイケちゃんの身体ががっくり と膝を着き、その場に倒れる。 「ゼラド」 「ゼラド!」 お兄ちゃんとヴィレアムくんがわたしに駈け寄ってくる。 わたしは、その場に立ち尽くしていた。 お兄ちゃんは帰ってきた。でも、ル=コボルはいつかまた現れるかもしれない。ラル ヴァだって、完全に消えたわけじゃないかも知れない。 また危ないことが起こったとき、わたしにはあのオバケたちを止められるのだろうか。 「ゼラド」 お兄ちゃんに声をかけられた。 「迷惑をかけたな」 「ううん」 「あいつのいうことなら気にしなくていい。 お前たちに危険を及ぼすなど、この俺がやらせない」 「うん」 「俺もいるしさ」 ヴィレアムくんがなにかいってたけど、耳には入らなかった。 今日この場は、お兄ちゃんとヴィレアムくんがいたからどうにかなったんだ。でも、 いつまでもこのままじゃいけない。 なにかしなくちゃ、なにかしなくちゃ、と思いながらわたしは家に帰った。 家に帰ったら、ディストラお姉ちゃんが焼き魚を失敗してお母さんにお説教されていた。
https://w.atwiki.jp/akatsukidng/pages/120.html
青髪 蛍のSS 菅原 灯と蛍の時間 「お兄ちゃん!」 「何回言ったら分かるのよ!お兄ちゃんと呼ぶんじゃない!アカリンと呼びなさい(命令)」 「えーお兄ちゃんは【ピー】がなくてもお兄ちゃんだよ!!なんでアカリンなのダッサイ、そのネーミングセンスありえなーい」 「は!?あんた源氏名、舐めてんのあたしゃこの名前に命かけてんのよ!?」 「へーじゃあ僕も真似してみよ!ホタルでーす、よろしくおねがしいます!」 「自分の実名をそのまま使うとか、はーまったくわかってないわー、頭ミミズレベルだわー」 「そんならお兄ちゃんは石頭!カタイカタクてわかってくれてないよ!!」 こんな馬鹿を言い合う楽しい時間、悪口いいながらも何故だろう…救われる気がしてくる。
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-dialog/pages/3212.html
お、お兄ちゃん…… うっ……お兄ちゃん! よかった! お兄ちゃん……う…ぅ…… 本田さん! うっ…… お兄ちゃん…… あのね、お兄ちゃんは……負けたの。 さっきまで意識不明だったのよ! みんな、すっごく心配して、死んじゃうかもしれないって…… お兄ちゃん! お兄ちゃん、無理しないでよ!
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1462.html
304 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 44 27.93 ID QwbmmOWb 真っ白なカーテンに真っ白なベッド…綺麗に整頓された部屋は清潔と言う文字しか頭に浮かばない。 その白に統一された小さな部屋に僕は居た。 パイプ椅子に腰かけ、綺麗なベッドに眠るお兄ちゃんを眺めている…。 顔には包帯が巻かれており、今は麻酔の影響で深い眠りについている。 三日前に突然部屋に入ってきた男に襲われ、お兄ちゃんは顔に大きな火傷を負ってしまったのだ…。 何かの薬品を目に流し込まれたらしく、医者が言うにはもう目は見えないそうだ…。 その事実を兄ちゃんになんて伝えたらいいのだろう…由奈姉ちゃんが伝えるからお前は黙ってろって言われたけど…兄ちゃんが壊れるんじゃないかと思うと本当に恐い。 何の薬品か分からないけど、ベッド下から鉄製のスポイトが見つかったので、かなり危険な薬品だと警察は言っていた。 そしてあの男の正体……僕が包丁を背中に突き刺した時に男の帽子がポロっと落ちて顔が見えた。 そして目と目が合い、思い出したのだ。 間違いなく、あの男は零菜をよく迎えに来ていたデブだった…。 それを警察の人に伝えたのだが、昨日来た警察の人に聞くと、どうやら行方不明になっているそうだ。 305 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 45 31.82 ID QwbmmOWb そして、不思議な事に零菜を突き飛ばした犯人…あれは僕が突き飛ばしたのだけど、何故かデブが突き飛ばして逃げた事になっていた。何でも複数の目撃証言があったらしく、ニュースでも大きく流れていた。 何が起きてるのか状況が飲み込めないけど、あのデブが兄ちゃんを傷つけたのは許せない。 あのデブは見つけ次第僕の手で殺す…。 兄ちゃんを傷つけたあのデブは絶対に許さない。 それに郵便局員の制服を着ていたあたり、警察が言うにはデブの確信的犯行らしく、殺意を持って兄ちゃんを襲った可能性があるそうだ。 兄ちゃんとデブの間に何があったのか…零菜が知ってるんだろうけど、零菜は生憎集中治療室で意識不明の重体患者として今も目を覚まさない。 それに零菜に目を覚まされたら…でもそう考えると由奈姉ちゃんだって共犯扱いされるだろうから、零菜が目を覚ました時に何か対策を考えていると思うけど…。 とにかく今は、兄ちゃんが目を覚ますまで待つこと…そしてデブとの対戦に備えてスタンガンを常に装備し、由奈姉ちゃんと一緒に兄ちゃんを守ること。 「兄ちゃん…」 パイプ椅子から立ち上がり、兄ちゃんに近づく。 ゆっくりベッドの端に手を乗せて兄ちゃんの顔を覗き込んだ。 306 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 45 54.51 ID QwbmmOWb 鼻から上は包帯で覆われている…だけど鼻からしたは無傷で綺麗なお兄ちゃんの口がそのまま寝息を立てていた。 「ゴクっ…」 生唾を飲み込み、一度お兄ちゃんから離れると、部屋から顔を外に出して様子を伺う。 「……よし…」 由奈姉ちゃんは兄ちゃんの服を取りに行くために家に戻ってる…戻ってくるのも少し遅くなるはず。 「兄ちゃん、寝てる?」 再度兄ちゃんに近づくと、兄ちゃんの耳元で囁いてみた。 何の反応もしない…麻酔が効いてるみたいだ。 「どうしたらいいんだろ…」 まず、どうしたらいいのか……零菜のビデオを見た時は、初っぱなから既にエッチをしていたので始め方が今一分からない。 「いや…別にエッチな事をしようと思ってる訳じゃないんだ……うん…」 独り言を呟き頭で零菜がしていた事を思い出してみる。 たしか零菜は兄ちゃんに股がって抱きついてキスしてた…舌も入れてた気がする。 「起きないでよ…本当に…」 パイプ椅子をベッドに近づけ座ると、掛布団の中に手を入れて兄ちゃんの手を優しく握る。 そして兄ちゃんの顔を伺いながら、自分の唇を兄ちゃんの唇にそっと近づけた。 「…っ」 唇と唇が触れる瞬間目を瞑って小さくキスをした。 307 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 46 19.89 ID QwbmmOWb 正真正銘、僕の初めてのキス。 すぐに顔を遠ざけて、兄ちゃんの様子を見る。 動かない…そりゃ麻酔が効いてるんだからキスぐらいでは起きないはず…。 緊張の糸がピンと張る空気の中、もう一度口を近づけ兄ちゃんの唇に口づけした。 「ん…んっ」 今度は一度目より長くキスをしてみた。 唇を離して今度は近くで兄ちゃんの顔を見下ろす。 唇は僕の唾液で光り、未だに小さく息を吐き眠っている。 「……」 ここで引けば取り返しがつくかも…起きても、冗談だよ~ですむ話…。 だけど兄ちゃんは麻酔で起きない。 その根拠の無い理由が私を積極的に突き動かした。 僕の手は兄ちゃんの手から胸へ移動する。 そしてゆっくりとパジャマの中へと指が入っていく。 「うわぁ…暖かい…」 つるつるした肌を震える指で撫でまわし、兄ちゃんの温もりを堪能した。 後は舌を入れるキスを―― ――ガラガラガラッ 「――遅くなってごめん。家に帰るのめんどくさいから服買ってきちゃ……何してるの?」 突然扉を開けた由奈姉ちゃんの声に反応した僕は勢いよく手を引き抜き、咄嗟に兄ちゃんに布団を掛け直しているフリをした。 308 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 46 45.17 ID QwbmmOWb 「い、いや、兄ちゃんの布団がずれてたから……そ、それより由奈姉ちゃん早かったね」 布団を掛け直すフリを終え、パイプ椅子に座り直すと、何故か手を隠して由奈姉ちゃんの方へと振り向いた。 数秒間、僕の顔を凝視していた由奈姉ちゃんは、何か言おうとしていた口を閉じて、部屋にそのまま入ってきた。 息を吐き胸を撫で下ろすと、パイプ椅子から立ち上がり洗面器へと向かう。 「……(兄ちゃん…暖かかったなぁ…)」 温もり残る指を見ていると、背中がむずむずする。 兄ちゃんと肌を合わせている零菜は凄く幸せそうな顔をしていたけど…もしかしたら本当に――。 「……」 「何してるの?」 背後から覗き込んできた由奈姉ちゃんに驚き、咄嗟に水を出して手を洗ってしまった。 「手が汚れたから…」 咄嗟に考えた言葉でその場を取り繕う。 「ふ~ん……汚れた手でお兄ちゃんに触らないでね?今はお風呂に入れないんだから」 「う、うん。分かった」 花瓶を持っているので花瓶の水を替えに来たのだろう。後ろに一歩下がると、由奈姉ちゃんは花瓶の中に入っている水を洗面器に流し、新しい水に入れ替えた。 花瓶に花を挿して棚に飾る。 309 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 47 10.98 ID QwbmmOWb 「まだ、あのデブ捕まらないのかな?」 「そうね…」 新しい衣服を取り出す由奈姉ちゃんの背中を見ながら、パイプ椅子に股がる。 由奈姉ちゃんを見ていると、本当に兄ちゃんの事が好きなんだなぁと思う。 兄ちゃんを見る由奈姉ちゃんの目は本当に優しい目をしているのだ。 僕を見る目とはまったく違うもの。 それは別に寂しいとは思わない…当たり前の事だし、今更由奈姉ちゃんに優しくされても逆に警戒してしまうだろう。 だけど僕自信は仲良くできるなら仲良くしたいと思っている。 たった一人の実姉だし、仲良く兄ちゃんと一緒に妹でありたい。 ――コンコンっ 「はい?」 看護婦だろうか?扉が優しくノックされる。 「あの~…篠崎 勇哉さんの部屋は此方でしょうか?」 「はい、そうですけど?」 由奈姉ちゃんがドアの外にいる相手に対応する。 女の声だったけど、看護婦じゃない?だとしたら誰だろうか? 自然と腰に隠しているスタンガンに手が伸びた。 「あの…失礼します」 「あれ?あんた…」 扉を開けて目の前に立っていたのは、胸の大きな可愛い女性。 僕は見たことがある…たしか零菜が友達のフリした…。 310 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 47 43.00 ID QwbmmOWb 「何か御用ですか?お兄ちゃんの“元”友達の…」 「杉原 薫です…お久しぶりですね」 名前を言えない由奈姉ちゃんに怒るでもなく、小さく笑顔を向けると勝手に病室へと入ってきた。 「どうしてこの場所が分かったんですか?」 「朝のニュースで見たんです。優くんが大怪我を負ったって」 ニュース?椅子から立ち上がりリモコンを掴んでテレビをつけてみる。 「あんたバカ?ドラマじゃあるまいし、そんな都合よくお兄ちゃんのニュースがテレビに映る訳ないじゃない」 呆れたように言い捨てる由奈姉ちゃん。 確かに…ドラマや映画だったらテレビをつけた瞬間に映る。 恥ずかしくなりテレビを消す。 「でもなんで兄ちゃんのニュースが?」 ニュースで見たという事は兄ちゃんの名前が出たと言うことだろう…よく分からないけど普通、実家や由奈姉ちゃんに話が来るんじゃないだろうか? それにこの三日で病室に訪れたのは私達の他には誰もいない…お父さんすらお兄ちゃんが入院している事を知らない。 「零菜が兄って公言したからでしょ」 由奈姉ちゃんはめんどくさそうにそう呟くと、お兄ちゃんの胸を布団の上から撫でた。 311 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 48 10.04 ID QwbmmOWb 僕がさっきまで触ってた胸…兄ちゃんの胸を撫でる由奈姉ちゃんの指に自然と視線が釘付けになる。 「まだ目を醒まさないんですか?」 杉原が扉前から移動してベッドで眠る兄ちゃんに歩み寄る。 「……」 忍び込ませたスタンガンをぎゅっと握りしめ、杉原の行動に目を光らせる。 こいつは兄ちゃんに惚れてたはず…兄ちゃんに触れたり変な行動を起こし瞬間後ろからケツを蹴り飛ばして部屋から追い出してやる…。 パイプ椅子から立ち上がり杉原の隣に立つ。 「勇くん…大丈夫?」 何の躊躇もなく杉原の左手が兄ちゃんの頬へ触れた。 その瞬間沸点が振り切れたように頭が赤くなるのが自分でも分かった。 ケツを蹴り飛ばす予定だったが、足より先にスタンガンに手が延びてしまったのだ。 スタンガンを取り出し気づかれないように背中へ押しつけると、触れた手の手首を掴んで杉原を睨み付ける。 「……だい…じょうぶだよ」 「ッ!!?」 背中へ押し付けたスタンガンのスイッチを入れてやろうとした時、寝ているはずの兄ちゃんの口から言葉が漏れた。 いや…漏れたのではなくハッキリと言葉を発した。 「お兄ちゃん、目が覚めたの!?」 312 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 48 38.17 ID QwbmmOWb 由奈姉ちゃんが慌ててナースコールボタンを押す。 僕も杉原の手首を放して杉原を押し退け兄ちゃんに近づく。 「あぁ…意識は、ずっと…あったけど…身体が…動かなか…ったんだ……」 「ぇ?そうなの?もうすぐお医者さん来るからちょっと待っててね」 「よかったぁ…勇くん痛いところない?」 「顔がちょ…っと…包帯…巻かれて…るの?まったく…見えない…けど…」 「う、うん…ちょっと顔怪我してるから…包帯取っちゃダメだからね?」 「はは…身体が動か…ないか…ら無理…だよ」 「……」 目の前で三人が仲良く会話している…その中に入って僕も会話しなきゃ…そう頭では思ってるのか口から言葉が出なかった。 それどころか一歩兄ちゃんから大きく後退り、気がつかれないように気配を消すため、身体を小さく縮めた。 ――意識があった? …いつから? 由奈姉ちゃんが入って来た時から?……僕が兄ちゃんにキスした時は…? 嫌な汗が額から流れる。 いや、意識が朦朧としてたなら…それに麻酔で感覚なんて分からないはず。 分からないはず…でも、もし兄ちゃんに気づかれていたら…。 「ぁ…ぅ…(やばい…どうしよ…兄ちゃん怒ったかな?)」 313 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 49 02.04 ID QwbmmOWb スタンガンを無造作に棚の上に置くと、足音をたてずに杉原の腕の隙間から兄ちゃんの顔を見た。 「……」 「ぁ…あの…兄ちゃ…」 兄ちゃんと視線がぶつかる。 兄ちゃんの目にはキツく包帯が巻かれているはずなのに…。間違いなく、僕と兄ちゃんの視線は繋がっていた。 数秒間視線が繋がった後、兄ちゃんは視線の糸を引きちぎるように僕から目を反らした。 その兄ちゃんのあからさまな行動が決定付ける。 兄ちゃんは気づいてる…僕がキスした事に気がついている。 「は、ははっ…い、いやぁ、兄ちゃん起きて良かった!兄ちゃん汗かいたかも知れないから。その…ぼっ…わ、私が拭いてやるよ!」 空回る頭で何とか兄ちゃんの頭からキスの事実を消そうと試みる。 由奈姉ちゃんや零菜ならもっと上手くやるのだろう…。 「いや…後で由奈に頼むからいいよ。今は薫ちゃんも居るし」 洗面器にあるバスタオルに手を伸ばす瞬間、兄ちゃんの拒絶の言葉が僕の背中へ投げ掛けられる。 多分初めて兄ちゃんからの“拒絶” 「だ、大丈夫だよ?その…僕できるから…私が…」 バスタオルを掴まず手が宙をさ迷う。 頭の中は後悔の言葉でいっぱい…そのせいか、指先が痙攣してきた。 314 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 49 27.59 ID QwbmmOWb 「いいわ、後で私が拭くから」 「僕が拭くって言ってるだろ!?」 後ろを振り向き由奈姉ちゃんを睨み付けた。 別に由奈姉ちゃんが悪い訳じゃない…だけど僕と兄ちゃんを引き離そうとする言葉に強い苛立ちを覚えた。 荒い息を吐く僕を由奈姉ちゃんと杉原がポカーンとした目で見ている。 それを一度見渡した後、誤魔化すように視線を外してタオル。 「私が拭くからいいって言ってるでしょ?鬱陶しいから外出てなさいよ」 いつの間に近づいて来たのだろうか?後ろで囁かれる言葉で再度振り返る。 僕の手からタオルを強引に奪い取るとそのまま兄ちゃんの元へと歩み寄っていった。 「ま、待てよおい!」 視界の端に入ってきたスタンガンを掴むと、由奈姉ちゃんの背中に近づけた。 その瞬間我に帰る。 「きゃああああああああああああああ!!!」 病室に響き渡る悲鳴と共にドサッと地面に倒れ込む由奈姉ちゃん。 何が起きたか分からず、倒れる由奈姉ちゃんを凝視する。 僕はまだスイッチを押していない。 それどころか、由奈姉ちゃんにスタンガンを押し付けてすらいない。 「由奈!?なんだよ、何が起きたんだ!」 315 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 49 57.57 ID QwbmmOWb 寝たきりの兄ちゃんが由奈姉ちゃんの悲鳴に反応し、麻酔が切れていない口から大声を出した。 「どうしました!?」 騒動を聞き付けたのか、扉から次々に人が入ってくる。 パニックを起こした頭ではまともな判断が出来ず、由奈姉ちゃんに向けていたスタンガンを咄嗟に入ってきた男達へと向ける。 「き、きみ…それ危ないから私に渡しなさい」 一人の男が片手を僕に差し出す。 白衣を着ていない…医者じゃないなら誰? 「お前ら誰だよ!兄ちゃんに近づいたら殺すからな!」 男達に怒鳴り散らすと、スタンガンを両手で握りしめ男達を威嚇した。 兄ちゃんは僕が守る…絶対に僕が…。 「ほ、ほら…私達は警察だから…ね?危ないからそれを渡しなさい」 「け、警察…?」 なんで警察? そう言えばまた兄ちゃんの様子を見に来るって……それにこのおっさんも見たことある顔だ。確かにあの時僕がデブの事を伝えた警察の人。 「……よし!手から放しなさい!」 男から視線を少し下げた瞬間、腕を捕まれスタンガンを取り上げられた。 「なっ!?放せッ返せよくそっ!」 奪われたスタンガンを取り替えそうと、警官の腕にしがみつく。 それは兄ちゃんを守るために必要なモノ。 316 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 50 20.86 ID QwbmmOWb だから僕が持ってなきゃダメなんだ。 病室の中を暴れまわり、何とかして警官の手からスタンガンを奪い返そうと頑張るが、相手は大人の男。 もう一人の男が僕の背後に周り身体を押さえつけてきた。 「兄ちゃん!兄ちゃん!」 部屋から連れていかれそうになるのを踏ん張りもがいて、兄ちゃんに手を伸ばす。 「由奈は無事なのか!?由奈!」 僕の声が届いてないのか、兄ちゃんは由奈姉ちゃんの名前を叫ぶだけ…僕の存在は完全に無視されていた。 「ほら、来なさい!」 「放せよ!兄ちゃん守らなきゃ!僕が兄ちゃんをっ!」 病室から無理矢理引きずり出されるとゆっくり扉が閉まっていった。 「うぁ…ぁあ」 扉の閉まる瞬間、由奈姉ちゃんの顔が見えた。 笑っていた…僕を見て満面の笑みを浮かべて笑っていた。 その時、やっと気づかされた。 ――僕には味方が誰一人として居ない事に…。 317 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 50 46.16 ID QwbmmOWb ※※※※※※※ 「大丈夫ですか?」 倒れ込む私に杉原 薫が心配そうに手をさし伸ばしてきた。 「ありがとうございます、薫さん」 その手を掴む事なく立ち上がると、膝の埃を払って私を呼び続けるお兄ちゃんに歩み寄った。 「お兄ちゃん大丈夫よ?私は何も怪我してないから」 「そ、そうか…なら良かった…で、何が起こったんだ?」 お兄ちゃんの麻酔が少し切れてきたのか、先ほどより流暢に話している。 「空ちゃんが、スタンガン持ってたのよ……なんでか分からないけどいきなりスタンガン押し付けられて…」 「な、なんだそれ?お前マジで怪我無いのか?」 声色で分かる…不安と私を心配してくれているのが凄く伝わってきた。 「うん、大丈夫。ちょっと痺れただけだから…火傷してるかも知れないから先生に見てもらうわ」 お兄ちゃんの手を握りしめ、頬に手の平をそえる。 お兄ちゃんの目はもう見えない…だから声と肌の触れ合いがお兄ちゃんの不安を取り除く。 零菜さんや空ちゃんには絶対に無理…私だからこそお兄ちゃんは安心するのだ。 「そうか…ちゃんと見てもらえよ」 案の定、大事に至らないと判断したのか、お兄ちゃんは安堵のため息を吐いた。 318 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 54 18.74 ID QwbmmOWb これで空ちゃんはお兄ちゃんの中から“妹”として除外されたはず…私を傷つけたのだからお兄ちゃんが許す訳がない。 視力が戻らないと伝えられた時は殺意で身体の全てが塗り替えられたように、身体に震えが走った。 一日中、あの男を殺す事だけを考えていた。 しかし、空ちゃんからあの強盗が零菜の婚約者だと教えられた時、私の頭は不思議と落ち着いていた…。 連日流れる零菜さんのニュース……零菜さんを突き飛ばして逃げた事になっている婚約者。 おかしい…空ちゃんが警察に犯人が婚約者だと伝えた次の日に、零菜を突き飛ばした犯人が婚約者だと報道された…。 それにあの婚約者が零菜を突き飛ばした所を見た人間が数人居たと言うのもおかしな話だ。 あの場所に居ないはずの婚約者を同時に数人見た? あきらかに誰かが裏で糸を引いているとしか思えない。 まぁ、何となく想像はついているのだが…。 「すいません」 「何でしょうか?」 入口に居る警官に話しかける。 「申し訳無いのですが、私が帰ってくるまで此処で待っていて頂けないでしょうか? 兄もまだ起きたばかりなので精神的にも不安定だろうし…少し遅くなるかも知れないのですがお願いできますか…?」 319 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 54 52.66 ID QwbmmOWb 「はい、大丈夫ですよ。面会時間ギリギリまでなら私が此処にいます」 親切に頭を下げて微笑み掛けてくる警官。 一度頭を下げてお兄ちゃんに近づく。 「お兄ちゃん、家に一回帰るからちょっと待っててね?ついでに薫さんも送ってくるから」 「そ、そうか…分かった。薫ちゃんもごめんね?来てくれたばかりなのにバタバタしちゃって…」 一瞬戸惑うような声が聞こえたが、薫さんの前だと思い出し取り繕った。 薫さんの前だから今は強がっているが、薫さんや警官がいなければ間違いなく、お兄ちゃんは私を引き留めるに違いない。 それほどお兄ちゃんの顔からは不安の色が見て取れた。 「ううん…私は大丈夫だから。また来るね?」 「うん、ありがとう薫ちゃん」 弱々しく呟くと、一度私の手を強く握りしめた。 お兄ちゃんの手を優しく放すと、お兄ちゃんに「待っててね」と再度伝えて薫さんと一緒に病室を後にした。 「貴女一人で帰れるわよね?」 「え?あっ、はい。電車で来ましたから」 「そう、なら電車で帰ってちょうだい。今から行くところあるから」 それだけ伝えると、薫さんを置き去りにして病院を出て車に乗り込むと、病院から早々に車を走らせた。 320 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/12/14(水) 12 55 41.43 ID QwbmmOWb 私が向かうのはもう一人の“兄妹擬き”が入院する病院…そう、零菜さんが入院する病院だ。 零菜さんは今処分しないと取り返しがつかなくなる。 そして私は確信している……零菜さんは間違いなく意識を取り戻していると…。 お兄ちゃんにあの男を差し向けたのも多分零菜さん…差し向けたかは分からないが、零菜さんが絡んでいるのは間違いない。 何をしようとしているのか分からないが、次の手に移る前に零菜さんは消す。 そして私とお兄ちゃんの二人でまた新しい生活を送るのだ。 誰にも邪魔されない…二人でずっと一緒に…。 「ふふ…お兄ちゃん……愛してるわ」 ミラーに映る気持ち悪い笑顔…一瞬誰だ?と首を傾げたくなる。 勿論車内には私しか居ない。 だから自分の笑顔だと分かってる。気持ち悪い…汚い笑顔。 だけど、どれだけ直そうと顔を手で触ってみても直らない。 「くくっ、あっははははははははは!!!」 お兄ちゃんを傷つけたのは許せない……殺してやりたいほど憎んでいる。 だけど…。 「はぁ~あ………これでお兄ちゃんは私から離れないわね」 私は愛しのお兄ちゃんを傷つけた大罪人に心の真ん中で小さく感謝していた。 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2460.html
ミーナ「ルッキーニ、あなた、そのコート着ていくの?ケーキとりにいくだけよね?」 ミーナ中佐が準備完了した私の姿を見て笑みを浮かべる。 ルッキーニ「だって、このコート着たいんだもん。クリスマス・イヴだからいいでしょ」 真っ白いフード付のコート。すっごくすごくかわいいの。 ついさっきシャーリーがくれたばかりの物。さっき彼氏さんと過ごすからってここを出るときに、クリスマスプレゼントだってくれたんだ。 もう見た瞬間に、一目惚れっていうくらい気に入ったんだよ。 シャーリーがくれるお洋服は、シンプルなんだけどかわいいものばかり。 リベリオンで買ってきたものだからちょっと流行おくれかもってシャーリーは言ったけど、そんなこと全然ない。全部、ものすごく気に入ったんだ。 その中でもこのコートは別格。 目に入った瞬間、あまりにも嬉しすぎて言葉が出なかった。 だって、このコートがもしデパートとかで売っていても、ミーナ中佐は絶対に買ってくれなかったと思う。 白は汚れやすいし、よそゆき用でどこにでも気軽に着ていくようなものじゃないから。虫をとったり、外で遊ぶのが大好きな私にはあわないだろう。 真っ白でマントみたくなっていて、フードのところにふわふわのフェイクファーがついているの。 シャーリー曰く、『一歩間違えるとてるてる坊主』だそうだけど、でも、本当にすごくすごくかわいい。 ミーナ「デートじゃなくて残念ね」 デートというひびきにはあこがれるし、501の中にはもう彼氏がいる子もいたりするけど……シャーリーとか……でも、私には全然実感がわかない。 クリスマスだって、みんなでクリスマスメニューの豪華ディナーとケーキを食べて、それからプレゼント交換して……それだけで十分楽しみだから。 ルッキーニ「いいの。ルッキーニには俺兄ちゃんがいるもん。明日は俺お兄ちゃんとデートだもん」 五歳年上の俺お兄ちゃんは一六歳。部隊に唯一の男性のウィッチで、 毎日毎日訓練に励んでいるの。501の名に恥じぬエースになるんだって。 そのお兄ちゃんの訓練も、今日は午前中で終わり。だから練習終わった午後はロマーニャに連れて行ってもらう約束をしている。いろいろ買い物するんだ。 どのお店も、きっとツリーがいっぱいでキレイだとおもう。 ミーナ「本当にルッキーニはお兄ちゃん子よね」 だって、ルッキーニ、お兄ちゃんが一番好きだもん。もうミーナ中佐なんて耳タコになってると思うから言わないけど。 芳佳はロッテの相棒のオレさんが好きなんだって。 でも私にはそういうのよくわからない。好きか嫌いかの二択で言えば、基地の大半の仲間は好きだと思う。でも、つきあうとかつきあわないとか、そういう対象じゃない。 グループデートっていうか、男の子も女の子も一緒に遊びに行ったりもするけれど、本当は私はお俺兄ちゃんとおでかけする方が好き。 俺お兄ちゃんは休日も自主訓練ばかりだから滅多にそんなことできないけど……。 ルッキーニ「だって俺お兄ちゃんが一番かっこいいもん。だいたい、この齢から彼氏とデートなんて言ったら俺お兄ちゃん卒倒しちゃうよ」 お兄ちゃんよりかっこよくて優しい人なんていないもん。 ミーナ「そうねかもね……それに俺さんも絶対うるさいわよ」 私とミーナ中佐は共犯者みたいに視線を交わした。お兄ちゃんは、私にものすごく甘くて、それから超がつくくらい過保護だった。 ルッキーニ「いってきま~す」 いってらっしゃいの声を背に聞いて、玄関の外に足を踏み出す。 まだ6時になったばかりなのに外はもうすっかり暗かった。 ほぉっと吐いた息が、夜の中でも白く映る。 頬を撫でたその風の冷たさに首をすくめた。 でも、お気に入りの白いミトンが風の入り込む袖口を、フェイクファーのイヤーマフが耳をしっかりと防寒していたから大丈夫。 ピカピカと点滅するライトに飾られた道を早足に急ぐ。 映画で見たみたいに、このへんの家の庭も12月になるとクリスマスデコレーションが盛んだ。 生垣にライトをからませているだけのシンプルなお庭もあれば、スノーマンやサンタの人形が飾られていたり、ミッキーやミニーのプレートが飾られたりしているお庭もある。 基地もももちろんミーナ中佐が率先してみんなで飾り付けをしていた。 駅前の賑やかな通りの方からジングルベルやクリスマスキャロルとかのいろんなクリスマスソングが聞こえていた。 音の源は、ケーキ屋さんとかハンバーガーショップ……きっとサンタの格好をしたアルバイトのお兄さんやお姉さんが店頭販売をしているに違いない。 ケーキを頼んだのは駅前からちょっと入ったとこの地元のケーキ屋さん。 百貨店で買う有名店のケーキもおいしいけど、私はここのケーキが一番好き。絶対に隠れた名店だと思う。特に苺ショートは絶品なの。 見た目は他のお店と変わらない苺ショートなのに、苺はちゃんと甘くてクリームは甘さ控えめでスポンジはしっとりとふわふわ。 その三つが重なると、もうほっぺた落ちそうなくらいおいしい苺ショートになるんだよ。 これまでいろんなお店の苺ショートを食べたけど、これよりおいしい苺ショートにはまだお目にかかった事がない。 甘いモノが苦手な俺お兄ちゃんだって、ここのケーキは大好きだもん。 弾んだ足取りで通い慣れた……でもいつもと様子の違う道を急ぐ。 駅前はちょうど電車が着いたばっかりだったのか人があふれていた。それもカップルが多い。あと、やっぱりケーキやお菓子の袋を抱えた人。 駅の横を通り抜けていこうとして、駅の掲示板の文字に目がいった。 雪が激しく、機関車が止まっているという。どうやら駅前にあふれている人々はその影響らしい。 ??「あーっ、!機関車止まってるじゃん」 ちょっとだけ考え込んでしまった私の後ろで声がした。 振り向いたら、そこにいたのは軍服姿の集団。いろんな国の軍服が混じってた。ものすごく背の高い人もいれば、私より少し高いだけの人もいる。 みんな腰には銃、全身冬服の正装という格好で、少し近寄りがたい雰囲気をしていた。 (どこの部隊の人たちかな……) お兄ちゃんの、扶桑の軍服を着ている人もいたし、スオムスの士官服の人もいた。 でもどこの部隊なのかな?実験部隊って感じじゃないし、10代から20代……ううん、もしかしたらもっと年上かもしれない人も混じってるし……なによりいろんな国の人が集まってるし…。 ルッキーニ「……あっ」 そんなことを思って、一人の背に501の文字を見た瞬間、小さく声が漏れた。思ったより声が響いたのか、数人の人が振り向く。 俺「ルッキーニ……」 そこに、兄と慕う俺お兄ちゃんがいた。 ルッキーニ「お兄ちゃんっ」 嬉しくなって、思わずお兄ちゃんに抱きつく。 俺「おまえ、何でこんなとこいるんだよ。もうこんなに暗いのに……」 やっぱりお兄ちゃんは過保護だ。でも、そんな優しいところも大好き。 ルッキーニ「クリスマスのケーキ、取りにきたの」 俺「……こんな暗いのに一人で来たのか?みんなは?」 ルッキーニ「みんなお夕食のしたくしてるよ。ルッキーニが一人で取りにいってくるって言ったの」 だってクリスマスだし……よそのおうちのお庭のピカピカ見たかったし……って言ったら、まったくしょうがねえなと言ってお兄ちゃんは口元に笑みを浮かべた。 ちょっと困ったようなその表情がいつものお兄ちゃんだった。 一緒に帰れる?と聞いたら、当たり前だろと笑って、それから、くしゃっと頭をなでてくれた。 ??「なあなあ、この子、俺の妹?」 急にのぞきこまれてびっくりした。お兄ちゃんのお友達らしい。 友「……すっげー、かわいー。あ、俺、友っていう、よろしくね」 その隣の金色の髪の人がにこっと笑った。わけがわからなかったけど、小さく頭を下げた。お兄ちゃんのお友達だから無視したらダメだし。 ??「ねえ、ねえ、名前、何て言うの?」 端正な容姿の人がすごい人なつこい笑顔で笑う。目のところに泣きボクロがある。あ、たぶん、この人はおれさんだ。お兄ちゃんの話によく出てくる。 お兄ちゃんの同僚で、女たらしで有名らしい。 ルッキーニ「あの……」 どうしようと思ったらお兄ちゃんがぐいっと私を腕の中に抱きこんだ。 私は部隊でいちばんちっちゃい。背が低いからお兄ちゃんの腕の中にはすっぽりとおさまってしまう。 こんな何気ない、お兄ちゃんにしてみればなんでもない、こんな仕草にもいちいちドキドキさせられる。 俺「友、おれ、ウチの妹にちょっかいだしてんじゃねーよ」 友「えー、ずりーぞ俺、いいじゃん、紹介くらいしてくれたって」 おれ「そうだよ。そんなかわいい妹いるなんて聞いてなかったぞ」 俺「えーい、寄るな。おまえらになんか紹介できるか」 友「俺、横暴だぞ」 まるで子供みたいな言い争い。 ??「おいお前達、いい加減にしろ」 落ち着いた、少し高い声がお兄ちゃんたちの間に割り込んだ。 俺「少佐…」 おれ「げっ……少佐」 少佐?「すまないね、部下が怯えさせたみたいで……」 少佐と呼ばれたその少女は少し腰をかがめ、私と同じ目の高さになってにこっと笑いかけた。 ルッキーニ「別に、大丈夫です」 お兄ちゃんのコートをきゅっとつかんだままで、首を横に振った。 だって、別に怯えてたわけじゃない。初めて会うお兄ちゃんのお友達だったから、どうしていいかわからなかっただけ。 少佐?「えーと、ルッキーニちゃん?」 お兄ちゃんが呼んだ私の名前をちゃんと聞き留めたらしい。 ルッキーニ「はい」 少佐?「少佐といいます。お兄さんの上官です、よろしく」 ちょっと驚いた。だって、同僚とか部下だと思ったから。だってどうみたってお兄ちゃんより年上には見えない、華奢な女の子だ。 でも、外見には見えない落ち着きようだった。 ルッキーニ「こちらこそ、お兄ちゃんをよろしくお願いします」 ぺこっと頭を下げた。知らない人には礼儀正しくしないとね。 少佐さんは確かお兄ちゃんの扶桑にいた頃の上官のはずだった。名前に聞き覚えがある。 ぷっと誰かが吹いた。 俺「……ルッキーニ、俺は少佐に面倒なんてみてもらってないって」 ルッキーニ「でも、一応、ご挨拶しとかないと」 そんなのいいんだよ。と、お兄ちゃんは肩をすくめて苦笑気味な表情で笑った。あ、今の、私の好きな笑い方だ。 俺「……じゃあ、俺、帰るから。みんなも気をつけてな。東に5分ほど歩けばバス亭があるから、そっからでも帰りな。」 「おう」だとか「じゃあな」とか、それぞれにみんながリアクションを返す。 おれ「じゃあな、ルッキーニちゃん」 友「またね」 少佐「俺のこと、よろしくね。」 みんなが声をかけてくれたので、ちょっと嬉しかった。 ルッキーニ「どうもありがとう。……あの、えっと……メリー・クリスマス」 みんな、笑いながら、みんなメリークリスマスと言ってくれた。 (……24……25……) ルッキーニ「……ねえ、お兄ちゃん。今度、お兄ちゃんの友達の所に、連れてって」 お兄ちゃんの友達。どんな人なんだろう?じつは少し気になったり…主に少佐さんとお兄ちゃんの関係とか。 扶桑にいたころの上官のはずなのに、なんでまた会ってたんだろう? ケーキの箱はお兄ちゃんが持ってくれた。重いバックを肩からかけてても、ケーキの袋を片手で持てるの。 やっぱり男の子なんだなぁと、こういう時にあらためて思う。 (……26……27、28……) だから私は手ぶら。あ、違う。右手はお兄ちゃんと手をつないでる。暇だから、駅からずっと目に付いたクリスマスリースの数を数えてみたりした。 俺「ダメ。俺、おまえ連れて行ったら心配で困っちまう。」 お兄ちゃんは本気でダメっていう顔をしていた。こういう時は何回言ってもダメなの。だけど、もう少しだけねばってみる。 ルッキーニ 「えー、でも、みんなまたねって言ってくれたよ」 俺「だーめ」 お兄ちゃんは、基本的に私に甘い。 ルッキーニ「いい子にしてるよ?」 俺「だめだって」 ほら、困った顔してる。 ルッキーニ「邪魔なんてしないよ」 俺「なんのだよ」 もう一押し。 ルッキーニ「どうしてもダメ?」 上目づかいに見上げて首を傾げる。 俺「……だめだよ。その代わり、明日、ケーキおごってやるから我慢しろ」 ルッキーニ「わーい」 どこのケーキがいいかな? クリスマスケーキは苺ショート系だから、チョコレートクリームがいいかな……でも、フルーツたっぷりのタルト系も捨て難いな~。 俺「まだ、色気より食い気かよ……」 俺お兄ちゃんはちょっとだけ呆れたような、でも、どこか嬉しそうな顔で笑った。 ルッキーニ「違うもん」 だって、大事なのはケーキじゃないの。 喫茶店とかケーキ屋さんで、お兄ちゃんと一緒に食べるのが大事なの。 本当のデートみたいでしょ。 だけど、そんなこと教えてあげない。 俺「何が違うんだよ」 ルッキーニ「な・い・しょ」 不思議そうに問うお兄ちゃんの目を見て、くすっと笑ってみせた。お兄ちゃんの目が丸くなる。 (……33っと……) 基地の玄関のリースでちょうど33個目。ゾロ目だ。ゾロ目って何かラッキーっぽい感じがする。 俺「ルッキーニ」 ルッキーニ「なぁに?」 振り向いたらお兄ちゃんが少し照れたような、くすぐったい笑みを浮かべて言った。 俺「その…新しいコート、似合ってる」 ルッキーニ「……えへへ。あのね、シャーリーからもらったの」 俺「シャーリーから?」 ルッキーニ「うん。シャーリーから、いっぱいお古のお洋服もらったんだ。」 俺「へえ……」 お兄ちゃんは優しく微笑む。 ルッキーニ「優しそうな人だったよ、彼氏さん」 俺「えっ!!?かっ…彼氏!!?」 にこにこ笑顔の素敵な人。でも、少し黒そうだったけど、それは言わないでおく。 それにしても、恋に疎いお兄ちゃんはやっぱり気づいてなかったのか…… ルッキーニ「うん。この間、お洋服くれたときに、一緒にきてたの。ロマーニャ近くの研究所の職員さんなんだって。」 俺「……………」 沈黙。ずいぶん驚いてるなぁ、お兄ちゃん。 共に音速を目指す二人は一緒に研究、実験をしているうちに…ってことなんだろう。 ルッキーニ「それでねそれでね!シャーリーのリベリオンの時の学校の先生だったんだって」 私はとっておきの情報を教えてあげた。 俺「えっ」 ルッキーニ「内緒でつきあってたのかな?お兄ちゃんも扶桑にいた時、学校の先生と付き合ってたりした?」 俺「……んなわけねーだろっ。ルッキーニ、お前も、整備兵のおっさんと付き合ってたりしないよな!!?」 ……お兄ちゃんは急にすごく真剣な表情になる。 ルッキーニ「大丈夫だよ、ルッキーニ、あんまり年上すぎるのも好みじゃないし」 俺「そんなこと言ったって、ルッキーニはかわいいんだから……。相手が何考えてるかわかんないんだから充分注意するんだぞ」 世の中ロリコンってもんが溢れてるんだからなとお兄ちゃんは真面目な表情で言い諭す。お兄ちゃんはたいへん想像力がたくましい。 ルッキーニ「大丈夫。ルッキーニの一番はお兄ちゃんだから……」 ねっ、と小さく首を傾けて笑って見せて、それからお兄ちゃんとつないでいた手を離して、玄関のドアを開けた。 ルッキーニ「ただいま~」 宮藤「おかえりなさい。あれ、俺さん、どうかしましたか…?」 俺「……な、な、な、なんでもない」 顔赤いよ、お兄ちゃん。 私の一番はお兄ちゃんだけど、この分だとお兄ちゃんの一番も、まだまだ私のものみたい。 (……簡単には、渡したりしないもん) そう。そこんじょそこらの女の子になんか渡したりしない。 くすりと私は心の中で笑みを漏らした。 back to home
https://w.atwiki.jp/seiyudb/pages/108.html
2015年7月12日 新第1話:うまるとお兄ちゃん BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 子供:前田玲奈/男子生徒:黒沢寿樹、前田弘喜/男:兼政郁人/女:茜屋日海夏、富田美憂 2015年7月19日 第2話:うまると海老名ちゃん BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/店員:前田玲奈、茜屋日海夏/アナウンス:兼政郁人 おばさん:吉田麻実/海老名母:浅野真澄/海老名父:前田弘喜 2015年7月26日 第3話:うまると弟子 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 教師:前田玲奈/ゲーム音声:兼政郁人/女子生徒:茜屋日海夏、富田美憂/男子生徒:前田弘喜、黒沢寿樹 2015年8月2日 第4話:うまるとライバル BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 アレックス:柿原徹也/店長:前田弘喜/店員:兼政郁人/先生:前田玲奈/女子生徒:茜屋日海夏、富田美憂 S.K.H(サンカクヘッド):サンカクヘッド先生(原作者) 2015年8月9日 第5話:うまると夏休み BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 ぼんば:安元洋貴/アレックス:柿原徹也/叶:小清水亜美/女子生徒:前田玲奈、茜屋日海夏/老人:前田弘喜 2015年8月16日 第6話:うまるの誕生日 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 ナレーション:白石稔/女子生徒A:前田玲奈/女子生徒B:茜屋日海夏 2015年8月23日 第7話:うまるのお兄ちゃん BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/アレックス:柿原徹也/店員:前田弘喜、兼政郁人、黒沢寿樹/おばちゃん:知桐京子/タイヘイ幼少期:富田美憂 2015年8月30日 第8話:うまるとクリスマスと正月 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/叶:小清水亜美/女子アナ:茜屋日海夏/レポーター:兼政郁人/女の子:富田美憂/店員:黒沢寿樹 部下:前田弘喜 2015年9月6日 第9話:うまるとバレンタイン BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/女子生徒:前田玲奈、茜屋日海夏 2015年9月13日 第10話:うまると今と昔々 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/叶:小清水亜美/なっすー:矢部雅史/生徒:黒沢寿樹、兼政郁人 2015年9月20日 第11話:うまるの日々 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/橘・アレックス:柿原徹也/司会:下山吉光/ナレーター:新井里美 2015年9月27日 第12話:うまるとみんな終 BS11デジタル:24時30分〜 土間うまる:田中あいみ/土間タイヘイ:野島健児/海老名菜々:影山灯/本場切絵:白石晴香/橘・シルフィンフォード:古川由利奈 本場猛:安元洋貴/橘・アレックス:柿原徹也/父:矢部雅史/母:茜屋日海夏/男の子:富田美憂/ナレーター:兼政郁人 店員:前田弘喜 第1期→干物妹!うまるちゃん 第2期→干物妹!うまるちゃんR